医療・病院って、みんな実はちゃんと知らないかも

    罹り付けと往診

    私の子供のころ、昭和30年代はまだまだ大都市以外の土地では総合病院が多くなく、普段の体の不調、怪我などは住まいの近くの医院に罹っていました。頻繁に風邪をひいていた私は、行く度に「よわ!」と罹り付けのお医者さんに揶揄されながら、それでも何かにつけてお世話になったものです。子供だったので正確には覚えていませんが、恰幅のいい、いつもニコニコしながら、消毒液の匂いがぷんぷんする口をあけて舌を押える金属製のヘラをもって、診察してくれる。親も多分この医者なら、我々の普段のことを知っていてくれる、つまり絶大の信頼を置いていたはずです。夜中急に熱を出したりしたときは、ダレスバックを持って家に駆けつけてくれ、頓服の処方や注射を打ってくれたことはよく覚えています。そう、これは今では見かけなくなってしまった「往診」。医者がこちらへ来てくれる、救急で行くのではなく。現代でも田舎ではたぶんこの行為は行われていると想像し、疑わない。そこには地域の医療、あるいはそれを超越した信頼関係と使命感があるからだろう。都会では完璧に無くなってしまって、再生しないであろう往診は好き時代の医療文明といってもいかもしれないですね。

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