最新の医療行為として手術を大病院で受け、1年にも及ぶ入院をした結果、無事の帰宅を果たせず病院で亡くなる。致し方のないことと思いつつも、なんとも家庭で見送ってあげるのとは違う虚しさが込み上げてきます。一年の内病院で人生の最後を迎える人はどの位になるのかわかりませんが、病院以外で逝ってしまう人を数えるほうがたぶんたやすいかもしれませんね。しかし、心電図を見ていて徐々にその心拍計のグラフの幅が小さくなって行くのを、何もできずに見ていることは、ただ手を握ってあげるしか方法がなく、そしてグラフが一直線になってしまった瞬間、目移すと担当の医師が頷いて時計を見る。なんとも情けない気持ちでした。何人も、そして毎週のように見送っているだろう職業ですから、いちいち感情を持っていては精神的に耐えられないのかも知れませんが、家族としては何も言えません。そして、入院やお見舞いで使うのとは違う裏のエレベーターで下にさがって、ビルの裏の狭い医療施設用専用の霊安室へ向かいます。そこへは寝台車が到着していて、手際よく祭壇が設けられ、担当の医師も、看護師も皆が焼香に来てくれて見送ってくれます。病院関係者への感謝の気持ちはあるものの、なんか事務的に感じるのは私だけなのでしょうか。